努々疑うことなかれ

勢いとノリだけで書いてます

松倉くんの演技がすごい話

人は白い羽失っても 地上に生きることを選んだ

 ざ、座長...!白い羽を失えていない子がひとりいます...!!

 

今年のカイトを一言で表すならずばり「幼女」。わかります?幼い女と書いて幼女です。すごい。松倉くんのデータと何ひとつ一致しないすごい。f:id:neherenia:20170331003320j:image                                  (19歳 男)

よく「憑依型」と称される松倉くんの演技ですが、今回もそんな感じで幼女カイト(?)を演じあげています。今年は感情の流れがより分かりやすくなっていてガッと引き込まれる。特に第二幕後半、大桜にかけてのカイト。感動しました。松倉くんはすごいぞ。

 

(前置きが予想の100倍くらい長くなりました...5回ほど思いっきりスクロールしていただければ、多分本題にたどり着きます...)

 

インペリアルガーデンシアターからの誘いを渋るコウイチに「そんなすごい劇場、行くのが当然じゃん!」とでも言うようにカイトはヤラに同調します。「そぉだよ 行こぉよぉっ!」って。

第二幕後半がすごいと言いつつ、これは一幕のシーンなんですけどね。

 

一幕のこのセリフは後のカイトのセリフ「やっぱり...オーナーの劇場に戻った方がいいんじゃないかな...」につながってると思っています。

 

スタッフのミスでリカとの見せ場であるシーンに出とちってしまったヤラ。スタッフを怒鳴り散らし、コウイチにみんなの前で説教される始末です。

コウイチとヤラの口論を何か言いたげに聞くカイト。コウイチの目の前へ行き、ここで上のセリフ!上目遣いでコウイチを見ながらも言ってる途中でヤラに目をやります。「ほら...ヤラくんもあんなだし...」

ヤラに目をやった後は、仲良しでだいすきなヤラへの罪悪感からかうつむいてしまうんです。そのまま居た堪れないように小さくなり、ハマナカに呼ばれると小走りで誰とも目を合わせないよう立ち去ります。

 

わたし、独白のシーンでヤラが言う「みんなも俺から離れていった...!」ってセリフを去年ずっと不思議に思っていて。

だって別にカイトいるし、離れてないしひとりでもないじゃん、って。あ、カイトが誰にでも愛想ふりまいてんの嫌なの?独占欲?みたいな。(脳内くそお花畑)

 

けれど今年のカイトを見て、あのヤラの独白はカイトの行動のことでもあるのかなって思ったんです。それだけでないにしろ。

インペリアルガーデンシアターへ行くことを無邪気に肯定してくれたカイトは、コウイチがそうだったようにオーナーの劇場でやることを望んでいる。それを裏切りのように感じたのかなって。

 

ただ、カイトもいきなりそう言い出したわけではなく。

インペリアルガーデンシアターからの誘いを渋るコウイチにヤラが放った「ひとりでシェイクスピアやってりゃいーじゃん」という言葉で心の溝みたいなものが出来てしまったのかなあと思います。

それまでコウイチが取り上げられた新聞に興味をひかれていたカイトがすっと真顔になるんです。

ここまでのシーンでいろんな人と目を合わせにこにこ楽しそうにしていて、カイトがカンパニーをとても大切に思っていること、だいすきなことが分かります。

だから、いくらヤラくんでもカンパニーを別れさせるような発言には違和感を感じたんではないかな、と。

 

立ち去るヤラを追うみんなを見てカイトも追いかけようとはしますがコウイチの前で立ち止まります。

そりゃそうですよね。ヤラを「You are the star」とまで言って信頼していたのに、それが一瞬で違和感、もっと言えば不信感に変わってしまったんですから。

なのにコウイチは「カイト、ヤラんとこ行ってやれ」と言う。それを聞いて傷ついたような、さみしそうな顔をするんです。突き放されたように感じたんでしょうね。

 

カイトが人一倍気を遣う性格というのはいろんな場面から見て取れます。このコウイチの発言で、カイトはコウイチにまで気を遣う...意訳するといい顔をするようになったんだと思っています。

その結果が「やっぱり...オーナーの劇場に戻った方がいいんじゃないかな...」

 

みなさんお忘れかもしれませんが、ここ、カイト幼女ポイントです。

末っ子は世渡り上手ってよく言われますよね。それの象徴がこの流れなんです。周りの顔を伺いまくるカイトはカンパニーの末っ子ならでは。

これが、どう幼女なんだと聞かれると説明できないのでつっこまないでください。わたしはただ幼女と言いたいだけなので。(知ってた)

 

オーナーの劇場へ戻ることを提案し、ヤラへの罪悪感みたいなものが多分あったであろうカイト。

雨の中、外からコウイチの病室を見つめるヤラへ傘を差し出すのも、仲直りを求めているように見えるんです。

後ろめたいのかうつむいているものの、ヤラを見つけると心配そうにまっすぐヤラを見つめ傘を差し出します。

しかし受け取ってもらえず。そのあとも以前のように遊び相手になってくれるヤラくんは消えてしまい、カンパニーもふたつに割れ、さみしかっただろうし苦しかったはずです。

 

よし!やっと2幕入りましたね!(長)

 

まだまだヤラへの罪悪感が拭えないカイトの前にコウイチ達が現れます。

すぐさまヤラの元へ向かうハマナカを追いかけ、ヤラの表情を伺うも、コウイチ達のパフォーマンスに気を取られ、ついには見とれてしまうんです。このどんどん惹き込まれてしまうお芝居もうまい。

テラに誘われ、ダンスの輪へ入るもヤラへの想いは消えなくて。それでも久しぶりのカンパニー揃った手応えは感じて、信じられないような、でも嬉しくて楽しくてたまらない様子で踊り狂います。

 

けれど、その楽しさも一瞬で、懐かしい感覚に浸るとすぐにヤラに視線を送ります。

お馴染みのはずのコウイチのヤラへの挑発にも顔を固くして、ヤラのことを気にしているんですね。

 

そんな中、刀を変えたのがヤラだと知ります。しかし、ここで「なんで?」と問い詰めるような表情もせず俯くカイトは自分を責めているように見えて。

ヤラが刀を変えたという事実は、カイトの罪悪感に積み重なったんだと思います。オーナーの劇場に戻ることを提案したのは、コウイチが殺される直前の幕間で、自分の発言がヤラを追い詰めたのかもしれない、と。

 

それも次のセリフでコウイチへ意識が急転換します。

 

さあやっとここで今回の本題!(遅)

 

リカの「例えそれが幻想でも...」

何を言っているのか理解できず、きょとんとした顔でリカを見つめます。

続いて「息を引き取ったのよ!」と言われても目をぱちぱちさせて状況が分かっていない様子。

リカがコウイチを刺しても反応できません。しかし刺されても何ともないコウイチを、泣きそうな戸惑いの表情で見つめ、ようやくコウイチが死んだことを理解します。

 

涙をこらえるように目元を手でおおうけれど、死を受け入れられなくて呆然と立ち尽くしていて。

 

ヤラがコウイチの手を取り和解するシーンでは、その手の冷たさに気づくヤラを真後ろで見ているカイトも「あっ...」と、コウイチの死を再度突きつけられ...。ここのカイトの表情がまあ切ない。

 

そして、ふたりの和解で、カンパニーはまたひとつになります。そこで歌うのがONEDAY。

わたし、この曲はカンパニー全員の合言葉みたいなものなのかなと思って見ていました。

というのも、まだまだコウイチの死を受け入れきれていないカイトが「信じあい 走り続けるのさ そしてひとつになれば きっと夢は叶う」って、自分に言い聞かせるように歌うんですよ。

コウイチの方をろくに見れないカイトが、合言葉を思い出し胸に刻み、コウイチとの最後のステージへ気持ちを入れる。歌い終わるときにはコウイチの方をしっかり見て。

 

で、最後のステージに入るわけですが。

ここでもやっぱり松倉くんの感情の持っていき方というか段階調節術というか、センスの良さが光ります。

 

夢幻ではコウイチとの最後のステージにかける強い意志が伝わってきて。

カイトのダンスって何というかふんわりした…と言うと語弊があるんですが、コシのあるダンス(何だそれ)なんですね。墨のついた筆先みたいな。(?)

それが夢幻になると一気に力みます。気合いがダンスにまで表れている。それまでのダンスからは想像できないほど力強く、何かに取り憑かれたように踊るんです。

 

それがふっと和らぐのが夜の海で。

意志の強さは変わらなくても、もうすぐコウイチが消えてしまうことを感じ取ったのか、寂しさ悲しさがダンスにも出ています。

その感情に押しつぶされそうになりながらも、踊り続けるカイトが本当に健気で儚げで...。

 

そして桜が散り、倒れたコウイチをフクダマツザキと共に運ぶ。ここのカイトがわたしの最大涙腺崩壊シーンです!!!

夜の海で感じていたからか、コウイチが倒れていてもそれほど大げさに驚く様子はなく、自分を鼓舞させるようにしてコウイチの元へ向かいます。

足を持ち、コウイチの顔を見て、でもまだ現実を受け入れたくないのかすぐに顔をそらし。

運び終わったあとにじっとコウイチを運んだ自分の手を見つめます。じーっと。生きている人間の体温とは違ったのでしょうか。

そして、ふっと泣きそうな顔になるんですね。

はいもうここで号泣。大号泣。(わたしが)

 

この泣きそうな顔っていうのもただ泣きそうというより、いろんな今までの想い全部ごちゃまぜにしたみたいな表情で。

わたしが村上春樹ならうまいこと比喩でも使えるんでしょうけど、残念ながらわたしは村上春樹ではないので、もうここは見てくださいとしか言えません。帝劇は残り一公演のくせして。

 

光一くんが「コウイチがいない中で、カンパニーのみんながショーをやっているという捉え方も出来ますが、そうではなくコウイチの葬儀の場とも捉えられる。」と言っていたCOUNTINUE。

コウイチが階段を駆け上がっていく(=天へ昇る)シーン。

みんなと同じようにカイトもコウイチの存在を感じ始め、でも気付いたときにはコウイチは階段へ向かっていて。

それを「行かないで!!」とでも言うように追いかけるのが...もう...。最高に泣ける。

 誰にでも背負いすぎてしまうくらいに気を遣うカイトが自分の感情を最大限出しているのがたまりません。

 

振り返るともうぼろっぼろに泣いていて。「今日も最高のステージ」って歌うんですよ...。

あれだけずっとコウイチの死を受け入れられなかったカイトが、もしかするとずっと罪悪感を背負い続けていたカイトが、ここに来てようやく完全に前を向くんですよ。

泣きますよね。なんだこの幼女成長物語はって。(台無し感)

 

 

 

俳優というのは言ってしまえば嘘をつくことが本分で、それが性分である人が俳優としての天分も持つということにもなる。

渡辺水央さんというフリーライターの方が書かれた文章です。

櫻井翔ほど俳優に向いてない人はいないんじゃないだろうか。彼を知れば知るほど、そう思う。

何せ嘘がつけない人で、嘘をつきたくない人。

 

松倉くんの演技を初めて見たとき、このテキストを真っ先に思い出しました。

正直、彼は演技を頑張らなくてもいいんじゃないかと思いました。

 

松倉くんはとにかくまっすぐすぎて嘘がつけない人で、それすなわち演技に向いていないんだろうなと思いました。

そんなことを思っていた過去の自分を高架下に呼び出し金属バットで殴ってやりたい!!!

 

松倉くんはたくさんののびしろがある立派な役者です。

彼にはまだまだ技術は無い。けれど心がある。心で演じるものは心に響きます。カイトはきちんと私の胸を打って響かせました。

松倉くんの演技がすごい、って書こうとして突飛な解釈全開に書いてしまうほどには。

  

演技がうまい人が正直者じゃないとかそういう話では全然なくて、でも松倉くんがまっすぐすぎるあまり人よりスタート地点が後ろなのは事実で。

でもそのまっすぐさがあるからこそ出来ることもあって。

松倉くんって絶対に見栄を張らないんです。張れない、と言った方が正しいのかな?(笑)

いつも現状を受け止め、ごまかさない。そういう強さがあるなと思います。だからどんどん成長していく。

 

松倉くんにはどんどん作品に出てほしいし、いろんな役にチャレンジしてほしい。これから先、どんな彼の代表作が出来ようとも、間違いなく最初のターニングポイントはSHOCKだと言いきれる。

SHOCKの舞台に立つ松倉くんを見れて本当に幸せです。

 

帝劇SHOCK2017も残すところあと一公演。

帝劇にパワーを!カイトに視線を!